① ボールを使用した搬送
ローラーコンベアの場合、直線的にしかワークを動かす事が出来ませんが、ボールを使用するフリーベアなら、360°方向に動かす事が可能です。
② 低い始動摩擦抵抗値
フリーベアを使用する事で搬送物にかかる摩擦が「滑り摩擦」から「転がり摩擦」に変わるため、搬送物を軽く動かす事が可能になります。( 始動摩擦抵抗値:重量物を動かす際に、止まっている状態から動き出す時の一番初めの抵抗値を指します。)
フリーベアの構造
① 上向き用・下向き用フリーベア
※斜めおよび横向きでのご使用についてはお問い合わせください。
上向き用
ボール受けに小ボールが入り、その上に大ボールを乗せボールを回転させます。
下向き用
内部に下向き用のボール受けを取りつけることで、小ボールが循環する様に設計されています。
プレス成形品
ボール受けがプレス成形(金型で圧力をかけ、金属板などから成形する加工法)された製品
⇒ 板材から作る。
切削加工品
ボール受けが切削加工(刃物で材料を削って、形を成形していく加工法)された製品
⇒ 丸棒を削って作る。
② プレス成形品・切削加工品
上記内容より、R面の肉厚がプレス品は薄く、切削品は厚くできています。
※プレス成形品の搬送物単体重量は500kgを超えないようにしてください。
フリーベアの許容荷重
フリーベアの許容荷重とは、搬送物にSS 4 0 0 相当の剛体(フリーベアに接触する面は研磨された生材)を使用したとき、始動摩擦抵抗(μ)が3/10 0 以下を維持することが可能なフリーベア単体にかけられる*大の荷重です。
※右図のように搬送物の形状等によって偏荷重が発生する場合があり、このような場合すべてのフリーベアにかかる荷重が許容荷重以下であることが前提となります。
搬送物の重量・大きさを考慮して取り付けピッチを設定してください。
フリーベアの高さにも公差があり、またフリーベア取り付けのテーブル面や、搬送面もフラットとは言えません。そのため取り付けられたフリーベアすべてに均等に荷重がかからず、ある部分だけに偏荷重がかかる可能性があります。この場合には許容荷重以上の荷重がフリーベアにかかり、始動抵抗や寿命に悪影響を与える事になります。
このため、
●切削加工品=許容荷重×2/3
●プレス成型品=許容荷重×1/2
程度の荷重になるよう取り付けピッチを決めてください。
ただし、スプリングの入ったフリーベアは、偏荷重を受けたフリーベアが押し下げられ、より多くのフリーベアが接触するように考慮されていますので、この限りではありません。
搬送物の材質にもご注意ください
【表Ⅰ】は、各フリーベアの許容荷重に対する「始動摩擦抵抗(μ)」を当社試験機で測定した結果です。試験機では、ボールとの接触面に、焼き入れ研摩した鋼(SK3、HRC60 以上)を使用しています。
【表Ⅰ】
C-6H | C-8H | C-12H | C-8Y | C-12K | |
---|---|---|---|---|---|
試験荷重 (許容荷重) |
50kg | 80kg | 200kg | 30kg | 60kg |
始動摩擦 抵抗(μ) |
0.013 | 0.011 | 0.012 | 0.015 | 0.013 |
ボールと接触する面の材質による始動抵抗値の違いを測定しました。表Ⅱからも明らかなように、SS 4 0 0はS K 3に比べ2倍以上始動摩擦抵抗(μ)が大きくなり、また同じSS材でも研磨材に比べ黒皮材の方がより大きくなります。したがって、重量物を少しでも軽く動かすためには、搬送物の底面を硬くなめらかなものにしてください。
【表Ⅱ】
▼ C-8H(許容荷重80kg)
材質 | |||
---|---|---|---|
SK3HRc60以上接触面研磨 | SS400 接触面研磨 | SS400 黒皮 | |
荷重 80kg | 0.92kg(μ=0.011) | 2.02kg(μ=0.025) | 2.22kg(μ=0.028) |
【表Ⅲ】のように、ボールと接触する面が木材の場合は、一般にμ = 0.09~0.1になり、SS400黒皮材に比べ約3倍強になります。したがって、木材の場合はできるだけ接点を多く取り、荷重を分散させて使用し、さらに軽く搬送するためには搬送物の底面に鉄板を取り付けてご使用ください。
【表Ⅲ】
▼ C-8Y(許容荷重30kg)
材質 木(松材) | |
---|---|
荷重 30kg | 2.7kg(μ=0.09) |
▼ C-12K(許容荷重60kg)
材質 木(松材) | |
---|---|
荷重 60kg | 5.4kg(μ=0.09) |
特注品の設計・開発も承ります
フリーベアではお客様の欲しいものを、欲しい形、欲しいサイズ、欲しい用途に合わせ、完全オーダーメイドでも対応しています。是非お気軽にご相談ください。
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(使用例)
(架台作製例)
特型テーブルの選定方法は、テーブルカタログ選定方法をご参照ください。